イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
何しろ、妊娠する覚悟までしてたくらいだし(わたしがぶち壊しちゃったけど)。
それだけ、本気で好きなんだろう。
坂田くんに相応しいのは、わたしじゃなく、きっと彼女みたいな子だ。
彼女みたいに“エリート営業マンの彼”を全部肯定して、ついていける女の子……。
「梓沙先輩、彼女のインスタなんてフォローしてたんですね。知りませんでしたよ」
光莉ちゃんの声が、ぐずぐずと煮詰まる思考を遮った。
急いで頷き、同調しておく。
「ほんとですよ、一体どんな繋がりがあったんですか?」
すると彼女は、「フォローなんてしてないわよ」と悪戯っぽく微笑んだ。
「してないって……じゃあさっき見せてたのは」
「自分のインスタ画面。種明かしするとね、さっきツリーの写真撮ってる時、あの子がすぐそばにいたのよ。チラッと覗いたら、ハートマークがいっぱい見えてね。あぁ気に入ったんだなって思ったから覚えてたの」
「へええ、なるほど! それでカマかけてみた、ってことですか!」
「うわ、梓沙先輩、めっちゃ頭いいぃっ!」
口々に彼女の機転を褒めつつ、セキュリティゲートへ向かう。
まだ笑える自分にホッとしていたわたしは。
BBB、BBB……
たった今固めたばかりの決意を揺さぶるみたいに携帯が震えた時、どうしても手を伸ばせなかった。