イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!


『え、帰った……って、もう家なのか? ブルームーンで待ち合わせようって、ライン入れたよな? 既読になってたと思うけど……』

戸惑ったように眉を寄せる坂田くんの顔が浮かんで、こみ上げる罪悪感を紛らわせるように携帯を握り締めた。

「えっと、……実はちょっと朝から調子悪くて。連絡しなくてごめんね」
『え……どうした、風邪? 薬は飲んだか?』

「大丈夫。大したことないから、心配しないで。寝れば治ると思うから。ごめん、電池切れそうだからもう切るね」
『え、ちょっ――』

最後まで聞かないまま、通話を切って電源もオフして。
ソファに勢いよく倒れ込んだ。

あぁもう、わたしのバカ!

家にいるのに電池切れとか、あるわけないし。
……バレたかもしれない。

嘘つくって、想像以上にしんどいな。
でも、どんな顔して彼に会えばいいのかわからないんだもん。


天井を見上げて、重たい吐息をつく。

なんて切り出そう?
トライアルはまだあと半分残ってるし、それなりの理由がないと彼を納得させるのは難しいって気がする。

いっそのこと、彼がとんでもなく嫌なヤツだったらよかったのに。
そしたらこんなに悩まなくてもよかったのに……



ピンポーン

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