イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「やだっ! 下ろして!! 下ろしてってば!!」
「危ねえだろ、暴れるな」
「だってっ!!」
どうしてこんなことになってるんだろう。
もう訳がわからない。
気づいた時には、坂田くんにお姫様抱っこ(!)されて拉致されて。
(みんながドン引きしながら見守る中)エレベーターに乗って……降りて……ここはどこ!?
見慣れないフロアを、迷いのない足取りで進んだ坂田くんは、とあるドアをスライドさせた。
中は狭いシンプルな部屋で、デスクとキャビネットと、ベッド……?
ツン、と鼻をつくアルコール消毒液の匂いに、ハッとする。
医務室だ。
「相変わらずうちのドクターは自由人だな。ま、今回は助かったけど」
ふわっと身体が浮く感覚、そして――ベッドに横たえられた。
「さて、じっくり話し合おうか美弥子」
切れ長の瞳にひたと覗き込まれて、どくん、と胸が高鳴った。
あぁほら、だから会いたくなかったのに。
「し、仕事中なの。話なら……」
後にして、と上体を起こそうとしたわたしを阻むように、坂田くんが覆いかぶさってきて――両脇に、手をつく。
「なんで避けてる?」
「避けてる、なんてそんな……あの」
「その分じゃ、風邪っていうのも仮病だな?」
「っ……」