イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「こっち見ろ」

視線をあちこち彷徨わせるわたしに焦れたのか、伸びてきた指に顎を掴まれ、強引に固定される。

「わ、たし、――」
「オレを焦らしてるつもりか? ……楽しいかよっ?」

抑えた、けれどどこかバランスを崩したような苛立った声がして、ハッとした。

「じ、焦らしてなんか――」

そんな風に思ってたの?
ぎこちなく、小さく首を横に振る。

そしてよくよく見つめれば。

その双眸は怒りにかられている、というよりは、焦燥感が強く滲んでいて、ドキリとする。

どうして?
これは、ただのお試しなんでしょ?
ゲームみたいなものでしょ?

なんで、そんな顔するの……?


「美弥子」

切羽詰まったような声に呼ばれて、視線が絡む。
わたしを見下ろすそこに危うい熱が灯っていることに気づき、呼吸が浅くなっていく。

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