イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
いつになく厳しい調子で言われたせいか、しぶしぶといった様子で彼女が歩を進めてきた。
「えっと、ごめんなさーい。でもワザとじゃないんですよ? ちょっとカン違いしてただけで」
てへっ。
って、聞こえそうなくらい無邪気な調子で頭を下げられ、ぐしゃっと手の中の書類を握り締めてしまった。
この数時間、わたしたちがどんな思いで……
「ほんとにカン違いなの? もしかして、あなたワザと――」
「人聞き悪いこと言わないでくれます? たまには間違うことだってありますよ。特にこっちは、誰でもできるような仕事ダラダラやってるあなたたちとは違って、毎日毎日重要な仕事抱えて忙しいんで」
そして坂田くんへ、媚びるような視線を向けた。
「大体、最初に上司経由で問い合わせるとかすれば、すぐにわかったことじゃないですか。デキる人だったら、絶対そうするでしょ? バカ正直にゴミ漁るとか、超引きません?」
その視線が、さっとわたしを上から下まで、品定めするようになぞり。
ふっと鼻先で笑う。
「あなた、鏡見た? ひっどい恰好。ドブネズミみたい」