イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

バサバサバサァ!

「きゃっ!」

積み上げてあった雑誌や書類に、肘があたってしまったらしい。

派手な悲鳴を上げてフロア中の注目を浴びてしまい、大慌てで「すみませんっ」って周りに頭を下げ。
雪崩を打ったそれらを手早くかき集めた。

「大丈夫ですかっ」

駆け寄って手伝ってくれたのは光莉ちゃんだ。

「うん、ごめんね」
「デスクにこんなの、積んどく方が悪いんですよ。係長が帰ってきたら、文句言ってやらないと」

笑顔のフォローが居たたまれなくて、顔を伏せる。
ちゃんと気を付けていれば、避けられたはずだもの。

「少し休憩してきたら?」

数メートル先まで飛んで行った書類を拾い上げてくれた梓沙さんが、わたしへ心配そうな視線をくれる。

あぁやっぱり、バレてるんだな。
今日は朝から散々だったから。
コピー数違い、入力間違いに始まり、コーヒーこぼすわ、請求書なくすわ、そして今は……

もうダメダメだ。

「すみません、じゃあちょっと行ってきます」

書類の山を元通りにしてから、2人へ小さく頭を下げた。

集中できない、その原因は……

――坂田さんがお見合いっ!?

今朝のあれ、だろうな。間違いなく。

< 261 / 539 >

この作品をシェア

pagetop