イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
バサバサバサァ!
「きゃっ!」
積み上げてあった雑誌や書類に、肘があたってしまったらしい。
派手な悲鳴を上げてフロア中の注目を浴びてしまい、大慌てで「すみませんっ」って周りに頭を下げ。
雪崩を打ったそれらを手早くかき集めた。
「大丈夫ですかっ」
駆け寄って手伝ってくれたのは光莉ちゃんだ。
「うん、ごめんね」
「デスクにこんなの、積んどく方が悪いんですよ。係長が帰ってきたら、文句言ってやらないと」
笑顔のフォローが居たたまれなくて、顔を伏せる。
ちゃんと気を付けていれば、避けられたはずだもの。
「少し休憩してきたら?」
数メートル先まで飛んで行った書類を拾い上げてくれた梓沙さんが、わたしへ心配そうな視線をくれる。
あぁやっぱり、バレてるんだな。
今日は朝から散々だったから。
コピー数違い、入力間違いに始まり、コーヒーこぼすわ、請求書なくすわ、そして今は……
もうダメダメだ。
「すみません、じゃあちょっと行ってきます」
書類の山を元通りにしてから、2人へ小さく頭を下げた。
集中できない、その原因は……
――坂田さんがお見合いっ!?
今朝のあれ、だろうな。間違いなく。