イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「コーヒーでいい?」
「う、ん」
ぎこちなく頷くわたしを確認すると、彼は社員証をかざしてあっという間に2本のコーヒーを買い、1本をくれた。
「あり、がと……」
「どういたしまして」
ニコッといつも通りの笑みを浮かべ、ベンチに腰を下ろしたその人は、隣のスペースをポンポンと軽く叩いた。
座れって意図を理解して、おずおずと腰掛ける。
「どうしたの? 仕事忙しいんじゃ……」
顔を合わせるのは久しぶりだ。
もちろんものすごく嬉しいんだけど、気を緩めたらここがどこかも忘れて飛びついちゃいそうで。
ギュッと缶を両手で握り締めて、自分を制した。
なのに、まるでそんなわたしの葛藤を弄ぶみたいに……
ズシリ、と右肩が重たくなる。
ドギマギしながら視線を動かすと、彼が頭をもたせかけていて、アッシュブラウンの髪が視界に入った。
「坂田、くん? えっと、誰か来るかも……」
「不足分、チャージしないと死ぬ」
吐息交じりにまた意味不明なことを言い出すから、「……はぁ?」って頭の中は疑問符だらけ。
「えと、睡眠不足なの? 医務室だったら、ベッドあるよ?」