イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

わたしが提案すると、ふわりふわりと髪が揺れた。
どうやら笑ってるらしい。

「ベッドのある場所なんて行ったら、マジやばい。理性が吹っ飛ぶ」
「り、理性?」

睡眠不足解消に理性が関係あるんだろうか?
それ以上の答えは与えられず、大いに首をひねるわたしの手に、大きな手が重なった。

コーヒーを持っていたせいだろう温かな指先が、思わせぶりに撫でてくるからなんだか落ち着かない。

「なぁ美弥子」
「……うん?」

やがて固く、恋人つなぎになった2人の手を見つめて、聞き返した。

「見合いの話、聞いたんだって?」


とっさに引き抜こうとした指先を、強引な力で阻まれた。

「日向から聞いたよ。今朝のコンビニの話」
「っ……」

「不安になった?」

ゆっくり彼が、上体を起こす。
切れ長の瞳にこうして間近に見つめられるのは、どれくらいぶりだろう。

たったそれだけで、妖しく鼓動を掻き立てられ。
思い知る。

自分がどれほど彼のことを――

< 264 / 539 >

この作品をシェア

pagetop