イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
キスが深く濃くなるのに、さほど時間はかからなかった。
「っン……、待っ……」
ビクつく唇は、簡単に悪戯な舌の侵入を許し、後はされるがままだった。
「ん、……ぁっん、……」
自分の声が、いやらしすぎて恥ずかしくて。
耳を塞ぎたいんだけどそんな余裕もない。
息つく暇もなく深く絡んでくる舌に追い詰められて、何度も酸素を求めて喘ぐ。
どうしたんだろう?
いつにない荒っぽいキスに、わずかな疑問が湧いたけど。
白く痺れた脳みそじゃ、それ以上考えるなんて無理。
指先をひっかけるみたいにして、彼のスーツに縋りつくのがやっとだった。
「ぅ、んっ……っ?」
ふと、重ねた唇はそのまま、背中に固いベンチの感触を感じ。
押し倒されたのだとわかって、ギョッと固まった。
ぷはっとなんとか唇を離し、わたわたと抗議する。
「ちょ、何、すっ……」
ななな何考えてんの、坂田くん!
ここ、休憩スペース!
休憩室、じゃなくて、ただの空きスペース!
観葉植物の壁の向こうは、みんな普通に仕事してるんだよ!?
会議室とかならともかく……って、それも問題ありだけど!
慌てふためいて押しのけようとした両手は、器用に彼の片手にまとめられて頭上へ。
「声、出すなよ?」
「はいっ?」