イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

まさかこんなところで最後まで奪われやしないよね、いやいやまさか。と本気で心配し始めた頃――


RRRR……

小さく着信音が響き、2人同時にフリーズした。


わたしはバイブにしてるから……。
音源はここかな、と当たりをつけ、彼の胸ポケットをポンポン叩く。
「あの、で出て?」


RRRR……

鳴りやまない音に、舌打ちが重なる。
彼が体を起こし、座りなおした。

危ない所だった……って、横たわったまま息を整えていたら。
着信音がブツっと消えた。彼が切ったらしい。

「え……いいの?」
「イタズラ電話。なんでもない」

「そう、なの?」

目を逸らした彼は質問を遮る様に吐息をつくと、わたしの身体を起こし、洋服のシワまで丁寧に直してくれた。

「悪かった。……まるでガキだよな。こんな盛りまくって」

そしてもう一度、優しくわたしの肩を抱き寄せる。

< 268 / 539 >

この作品をシェア

pagetop