イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「それより、そろそろトライアル終わりだぞ。覚えてるか?」
「あ、うん……」
そうだ。そうだった。
ついにその日がもうすぐ……
「今度こそ止めないから。“初めて”の夜――覚悟しとけよ?」
色っぽくこっちを見下ろすその双眸には、自信しか浮かんでいない。
断るかも、なんてカケラも思ってなさそう。
とっくに彼に落ちてること、バレてるんだろうな。
悔しいけど、そんな傲慢な表情すらカッコいいって思ってしまうんだから、わたしも末期だ。
仕方ないよ。好きになっちゃったんだもん。
この気持ちは、間違いなく本物だって確信がある。
坂田くんも、同じように思ってくれてるよね……?
――本気の恋愛はしないって噂があったじゃない、坂田さん。つまりあの人、ちゃんと結婚相手と遊びを分けてたのよ。さすがよねー。
頭のどこかで響いた声に、わずかに身体が強張った。
違う、そんなことない。
だって“真剣につき合ってる”って、上司に言ってくれたんだもの。
もう信じていいよね、わたしのこと、遊びなんかじゃないって。
これは、本気の恋愛だって。
少し視線を上げて、確かめるように彼をチラ見。
――営業の友達が言ってたんですけど、坂田さん、イブの夜はプライベートの予定がもう入ってるそうですよ! その日は残業できないからって。