イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「だってさぁ、20代最後の結婚ラッシュ、そろそろ始まりそうな予感がしない?」
「するする~! 同級生はどんどん結婚するし、出産してる子もいて、もう親のプレッシャーがすごいの」
「わかる、焦るよねー!」
「東京の人は、地方に比べるとまだマシなんじゃない? 独身率高そう」
九州支社の一人に身を乗り出して聞かれ、確かにそうかもしれないな、と頷いた。
「真杉さんみたいなキャリアウーマンだったらさぁ、別に結婚しなくても余裕かもしれないけど、うちらはねー」
「お局にはなりたくなーい!」
わっと場が盛り上がる。
みんな、同じようなこと考えてるんだな。
苦笑いしつつ聞き流していたら。
「なになに? 何話してるん?」
隣のテーブルからビール片手にぐいぐい割り込んできた女子が、わたしの前に座った。
アンサンブルニットにヒョウ柄のタイトスカートを合わせた彼女は、関西支社きっての才媛にして読者モデルもこなす美女、PR部の椎名恵美だ。
「お局にはなりたくないよね、って話」
説明してから、「あ、でも恵美には関係ないよね。彼氏いるもんね?」ってフォローすると彼女は少し気まずそうに上目遣いで微笑み、長い茶髪を指に巻き付けた。
「実はあたしもなぁ、婚活しよかと思てんねん」