イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「「「え」」」
テーブルの全員、束の間絶句。
だって去年の同期会でみんな、彼女のラブラブっぷりをうんざりするほど聞かされていたから。
「絶賛募集中やから、みんなもおススメの人いたら紹介してな? 大阪以外でも、結婚できるならあたし全然異動願出すし」
「え、ちょっと、なんで別れたのよ?」
一人が勇気を出して聞くと、恵美の顔がわずかに曇った。
「んー……価値観の相違?」
「「「価値観の相違??」」」
「あいつな、結婚する気なかってん。まぁ家庭向きの男やないなぁとは思うてたけど。本人から、結婚したいなら別の男探してくれ、って言われてな。ほんま、貴重な時間返してほしいわ。まぁ結局、恋愛と結婚は違う、ゆうことなんやね」
家庭向きの、男じゃない……
恋愛と、結婚は違う……
なぜか、ギクリとした。
その理由について深く考えようとしたんだけど。
そこで恵美のカラっと明るい笑い声が響いた。
「あはははっいややなぁ、みんなそんな湿っぽくなって! あたしはもう大丈夫やで? 今度は最初から、結婚を前提に相手探すし。みんなも気を付けや? 結婚に向いてへん男って、そこら中におるから。こっちで言うと――ええと、坂田やな」
唐突に登場した彼の名前。
悪気はないんだろうけど、なんとなく居心地が悪くなって座りなおしてしまう。