イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「ええっなんで彼はダメなの?」
「こっちからお願いしたいくらいなんですけど!」
「うちらの出世頭だよ、今年度MVP間違いなし!」
「結婚したら、間違いなくセレブな暮らしさせてくれそうじゃない」
「あーわかる、稼いでるもん!」

口々にほめそやす女の子たち。
けれど、恵美はそんな彼女たちを呆れたように眺めていて、ヒヤリとした。

「どこがええねん。飲み会のたびに違う女、侍らせて。夜は接待三昧でホステスと仲ようするんやで? そんな奴に仮に“好きや”とか言われても、信じられるか? 成田離婚がオチやわ。だいたい――」

一旦言葉を切った恵美は、テーブルの全員が自分に注目していることを確認してから、おもむろに赤い唇を開いた。

「今日あいつ来とらへんやろ。今頃、また新しい女としっぽりよろしくやっとるんやで。ほんとに懲りんヤツ――」
「ちょっと! 適当な事言わないでよ」

とっさにキツイ声をあげていた。
根も葉もない噂流されたら、坂田くんが誤解されちゃうって思って。
だけど。

チッチッチ。
わたしの目の前、突き出された恵美の人差し指が、思わせぶりに左右に振れた。


「適当とちゃうんやなぁ。あたし、ここに来る途中見てん。渋谷であいつがデートしとるとこ」


え――……

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