イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

窓際のアイビーを縋る様に見つめても、もちろん返事があるわけじゃなくて。
逆に、その傍の棚、鈍い銀色の輝きが目に留まってしまった。


すでに我が家のインテリア然として大きな顔をしてるジッポーだ。
坂田くんから預かったやつ。

刻まれた“with love”――元カノからのプレゼントかも、って思ったことはある。

もし、“元”じゃなかったら?
今も、続いていたら?

再びぶわりと沸いた黒い感情を払うように首を振って。
ソファの上で背中を丸めた。

ない、ないない。絶対ない!


――あー……ごめん。どうだろう。まだわかんねえな。しばらく忙しいし。


――坂田さん、イブの夜はプライベートの予定がもう入ってるそうですよ! その日は残業できないからって。

――あたし、ここに来る途中見てん。渋谷であいつがデートしとるとこ。


違うよね?
イブに……“その人”と過ごすんじゃ……

そんなこと、ないよね。
信じて……いいよね?


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