イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
テーブルを拭いていた手を止め、無人の会議室を眺めた。
ここで禁煙チェックと称してハグされてた頃が懐かしい。
今日はついに、トライアル最終日だ。
昨夜も結局彼からの連絡はなくて……まぁ、律儀に指折りチェックしていたのはわたしだけだったのかもしれないけど。
なかなか眠れなかったから、もうあくびが止まらない。
やっぱりただのゲームだったんだろうか。
もう飽きちゃった……のかな。
重苦しい息をつき、会議で使った資料を両手に抱え上げた。
その時。
『……至急確認します』
聞き覚えのある声、そしてどこかのドアの開閉音……
バサバサぁってその場で書類が全部手からすり抜け、床に散らばった。
でもそれを拾い集めてる暇はない。
もつれる足に力を込め、なんとかドアノブに飛びついて――
ガチャっ!
「坂田くんっ!」