イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

それから、ますます彼とコンタクトが取れなくなった。
まるでわたしを避けてるようだって思うほど。

近づけば離れて行って、
触れれば振り払われて、……

やっぱりおかしいよね?


ざわつく胸をギュッと押さえて、深呼吸。
視線を上げればもう、目指すギャリオンホテルがそびえていて。

仕方なくわたしは、ぎくしゃくと重たい足を前に出した。

凝った飾り文字のロゴの前を通り過ぎると、昼間と見紛うほど明るいエントランスがあり、その向こうのロビーではクリスタルで飾られた豪奢なクリスマスツリーが、ひと際輝きを放っている。

けれど何も、心に響かなかった。
そこはもう、彼のことでいっぱいだったから。


――美弥子を傷つけたくないし、オレと一緒にいることでお前が嫌な思いをするなら、離れるのが正解なのかもしれない。でも、それでも……オレは、お前を手放したくない。この関係を、続けたいと思ってる。

あの時の眼差しを、覚えてる。
心ごと、全部さらわれてしまいそうな、真剣な……

チャラさなんて、欠片もなかった。

あれが全部嘘だったとか、信じられない。

じゃあ……

仮に、あれが嘘じゃなかったとして。
最近の態度はどういうこと?

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