イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
ほんとにすぐ、撤収してくれるつもりなんだろう。
彼はテーブルの上を片づけ始める。
もう役目は終わったし、立ち去ってもよかったんだけど……
つかの間迷ってから――どうしても我慢できなくて、聞いてしまった。
「その……アシスタントはどうしたの? 手伝ってくれないの?」
「作業がはかどってないのは、オレ自身のせいだからな」
疲れた様子で口元を歪める横顔に、ドキリとする。
いつもの自信たっぷりの彼じゃないみたい……
なんとなく不安を覚えて、目が離せないでいたら。
「もう、口きいてくれないかと思った」
ぽつりと、彼が言った。
トントン、まとめた用紙を机の上で整えて。
それから、わたしへと視線を上げる。
「悪かったな。あんな形の、終わりになっちまって」
ほんとに、その通りだ。
わたしは騙されてた。
彼には人妻の本命がいて……もっと怒るべきだよね。
よくも振り回してくれたわねって、ヒステリックに喚いてもいいくらい。