イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
そう、思うのに……
そんな風に真っすぐ見つめられたら――胸の奥から、切ないくらい苦しい、何かが湧き上がってきそうになる。
あぁやっぱり、好きだなあって……引きずられそうになる。
ダメなのに。
わたしたちはもう、終わったのに。
「っ……や、やだな、大丈夫だよ?」
気持ちを押し隠すには、わざと明るい声をあげるしかなかった。
「もともと2カ月って約束だったじゃない。だから、予定通りってこと。いろいろ勉強にもなったしね。坂田くんでイケメンに免疫できたから、これからどんどん婚活するつもり。今日もね、合コンに行ってきたんだ! 福祉関係の公務員の人でね、これがすっごいびっくりしたんだけど、初対面じゃなかったの! 前に婚活イベントで会ったことがあって、こんな偶然あるんですねーって――」
無言のままの彼から、なんとなくマイナスの感情を感じ取って、言葉を飲み込んだ。
「ご、ごめん……興味ないよね、こんな話。えっと……わたし、忘れ物取りに来ただけなんだ。だから、もう――」
帰るね、とカバンを手に取ったところで。
あ、と思い出した。
「そうだ! これ、返さなきゃって思って。持ち歩いててよかった」