イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

わたしだけじゃ、ない?

「どういうことですか?」

苦々し気に口を開いたのは、宇佐美さんだった。

「僕たちもね、全く同じ。12月の初め頃から、あいつと連絡が取りづらくなったんだ。飲みに誘っても断られるかドタキャンか、とにかく会えなくてね」

「仕事でも、徹底して避けられてる。今まで絶対俺に寄越してた案件、立て続けに外注しやがって」

えっと……つまり坂田くんは、友達とも距離を置いてたってこと?

「最初は、愛情と友情を天秤にかけた結果なんだろうって生ぬるい気持ちで見てたんだけど――今朝、こんなものを手に入れてね」

宇佐美さんがスーツの内ポケットから取り出したのは、コピー用紙のようだった。

手を伸ばして受け取って……

「何、これっ」


手も声も、震えてしまった。

だってそこには、新聞から切り抜いたっぽい文字がデコボコに貼り付けられてて、こう書かれていたから。


『営業部・坂田慎太郎は、反社会的勢力と関係あり。至急解雇せよ。さもなくば、マスコミへ情報を提供する』――。

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