イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「その反応だと、知らなかったんだね?」
確認するような視線に、
「し、知ってるわけないじゃないですかっ」って噛みつくように叫んで。
もう一度紙に目を落とした。
見た目も文言も、紛れもなく脅迫状だ。
一体誰がこんなもの……
「清掃のおばさん、野上多恵さん、って知ってるかな?」
へ? 多恵さん?
「はい、いろいろとお世話になったことが……」
以前のことを思い出しながら言うと、「僕たちも喫煙所の掃除で毎日、お世話になっててね」と宇佐美さん。
「偶然今朝そこで坂田の話になって、ナイショでこれ、見せてくれたんだ。先月の初めに、会社にファックスされてきたって」
「会社に、ファックス? 先月?」
繰り返しながら、首を傾げてしまった。
だって脅迫状なんて届いたら、警察だなんだってもっと大騒動になってそうだけど……特に、そんな情報は入ってきてないもの。
わたしの疑問に答えるように、宇佐美さんが頷いた。
「早朝、届いたそうでね。多恵さんと同僚のみなさんが結託……もとい協力して、社員が出勤する前に全部、回収しちゃったんだって。だから誰も知らないんだ」