イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

自分のフロアへと戻りながら――ざわざわと不穏な音の止まない心臓をなだめる。

伝えるべき……だったんだろうか。

答えの出ない問いを鬱々と繰り返し、でも、と考えを切り替えた。

ファックスが送られてきたのは先月の初めでしょ?
非通知電話も同じ頃で、それからもう2カ月近く経つもの。

犯人が仮に、泣きボクロの美女の関係者だとして。
坂田くんのことだし、上手く立ち回って、もう丸く収めてるかもしれない。

じゃなきゃ、あんな脅迫状めいたもの送ってくる犯人だもん。
どんどん次の手を打ってきてもおかしくない。

何もないってことは、話し合いが順調に進んでるってことじゃないかな。

うん、きっとそうだ。
大丈夫だよね。

宇佐美さんたちには申し訳ないけど、このまま黙っていよう。


その時はそんなふうに楽観的に自分に言い聞かせたわたしだったけど、その考えを改めざるを得ない事態が、翌週に起こった。
坂田くんに関する、新たなトラブルを耳にしたのだ。


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