イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

いい加減居たたまれなくなって、おずおずとその拘束から逃げ出した――んだけど。

「チッ」

苛立ったように舌打ちした坂田くんの方が、先にその身を翻し。
人垣を押しのけるようにして、ずんずん遠ざかっていく。

どうしたんだろ……。
寝不足でイライラしてたところに揶揄われて、カッとしたのかな。

わたしなんかが宇佐美さんと一緒にいたら、やっぱりおかしかった?

ともかく、彼を不機嫌にさせてしまったことは間違いないようで。
うぅ。朝から気分はぺしゃんこだ。

なのに――


「ねえ見た? あの目。もしかして僕、スイッチ入れちゃったかもしれないなぁ」

「す、スイッチ?」

なぜか真逆に上機嫌の宇佐美さん。
なぜに?


「襲われちゃったらごめんね、中村さん。まぁ頑張って逃げて?」


見惚れてしまうほど艶美な微笑と共に放たれた一言は、さらに意味不明で……


……そういえば、“確かめる”とか言ってたのは、どうなったんだろう??

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