イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「なんで信じねえかな。オレの気持ち」
そして指を放し……ゴツゴツした指の背でそっとそこを撫でてくれる。
なんてことはない些細な仕草。
なのに、どこか糖度が含まれているような気がして落ち着かない。
どうしてこんな、思わせぶりなことするんだろう。
こっちの気持ち乱してるって、わかってないの?
「だ、だって……」
彼女のことを口にするのは、結構な覚悟が必要だけど。
はっきり言わないとダメみたいだから、仕方ない。言おう。
「わたし、見たの。坂田くんが、女の人と一緒にいるとこ。クリスマスイブの夜」
「イブの……夜? 女?」
聞き返されて、バツの悪い思いを抱えながらも打ち明けた。
ネットで坂田くんのアパートを探し当て、逢いに行ってしまったこと、
待っていたら、タクシーから美女と坂田くんが降りてきたこと……
「ここにホクロがあって、すごく綺麗な人で」
目の下を指すと、坂田くんがいきなり沈黙。
宙を睨んだままフリーズしちゃうから、少し心配になって覗き込んだ。
「さ、かたくん……?」
「……なるほどな、そういうことか。わかった」
低く唸るような調子で言い、イキナリ立ち上がって。
放置されていたカバンから何かを取り出した――携帯だ。
そして言い放つ。
「会わせてやる」