イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「すまない。オレが、もっと早く着いていれば……」

自分が傷つけられたみたいな悲壮な表情で言われて、わたしはすぐ、首を横に振った。

英二くんからもさっき、同じように謝られた。
彼はギリギリまで、河合さんの告白を録音しながら坂田くんの到着を待っていたそうで、助けるのが遅くなってごめんなさい、って。

「全然平気だよ?」

大丈夫、そんな顔しないで、って見上げた頬を両手で挟み込んだ。

「元はと言えば、わたしが河合さんの対応を間違ったせいだと思うの。それで坂田くんまで嫌がらせを――っきゃ!」

ギュッと覆いかぶさるように抱きすくめられて、言葉を飲み込んだ。
「さかた、くん?」

「これだけは言っとく。絶対にお前は悪くない。いいか、120%、悪くないからな?」

「……ん、うん、わかった。わかったよ……ありがと……」


潤む視界に、ゆっくり身体を起こした坂田くんが映る。
至近距離で視線が絡んで――ゆっくりと、何かに引かれるように唇を合わせた。

反応を伺うように、そっとそっと、触れてくれる坂田くん。

大切にしてくれてるんだなって伝わって、そんな優しすぎるキスも嬉しかったけど。
段々じれったい気持ちの方が大きくなってきて……

「坂田くん……」
たまらず自分から、おずおずと口を開いてしまった。

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