イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「……へ?」

「孫は子どもより可愛いって言うじゃない? 友達に写真を見せてもらうたびに羨ましいなって思ってたのよ! きゃあ~楽しみだわあ!」

新しいデジカメとプリンタ、買わなくちゃ。
七五三の着付けは任せて、ヘアアレンジはどんなカンジがいいかしら~?

なぜかウキウキ張り切り出すしのぶさんに、今度はわたしの方がタジタジだ。

「え……えっと、がんばります……?」

チラッと気まずい視線を移すと、坂田くんがくすくす口元を覆って笑いを堪えていた。

なんか、墓穴掘ったかも?


「あーなんだか楽しくなってきちゃった。これは、まだ死ねないって感じね?」

すっきりした顔で微笑む彼女に、さっきまでの憂いは消えている。

わたしは、あぁよかった、って坂田くんと視線を合わせた。
そうしたら。


「でも1つだけ、訂正させてね」

ベッドから悪戯っぽい声が飛んだ。

「私が泣くこともできなかったって、言ってたでしょ?」

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