イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

『あぁ……「かわいいお嫁さん」? 大丈夫、美弥子は十分可愛いよ』

「あらやだ、ありがとう♡、って違ぁうっ」
自分で突っ込んで、「大事なのは後半!」と拳を作る。

「こっちは真剣に結婚を考えて、婚活始めたばっかりなんだよ? 本気になるかどうかわからない関係に期待したりつき合ったり、そんな暇ないよ」

飛鳥は、ボソボソと小声で何か言ってたけど(まだ焦らなくても、とか言いたいんだろう)、やがて諦めたような吐息をもらした。

『……わかった。じゃあ、肉食女子にまつわる事情は、私から説明しといてあげる』

「ほんとっ!?」
よかったぁ、やっぱり持つべきものは頼りになる友達だ。

『私としては坂田、おススメなんだけどね。美弥子にその気ないなら仕方ないから』

「ありがとうっ! 大好き飛鳥っ!」

『あはは、はいはい。――あ、呼んでる。ごめん、もう切らないと』

『今行きます』
誰かに向かって返してる飛鳥に、「ごめんね」って謝った。

「仕事中なんだよね、長電話しちゃってごめん!」
腕時計を見ると、もうすぐ7時だ。
まだ会社にいるんだろうか?

『いいのいいの、どうせデザイン待ちしてただけだから』

「まだ帰れないの?」

『うん、入稿まで済ませちゃわないと。大丈夫、あと少しだし』

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