宇佐美くんの口封じ
「雨宮せんぱい。さっき見た事、誰にも言わないでくれますか?」
「いっ、言わない!言わないから!」
相変わらずの至近距離でそういう彼に、私はブンブンと首を縦に振る。
もうお願いだから離れてください。
もうショート寸前なんです。
私はまだ、華のJKライフを楽しみたいのです。
サラとだって気まずくなりたくないし、言いふらしたところで私に何も利益なんてない。
宇佐美くんが誰と何をしてようと、私には関係ないし。
「聞き分け良さそうですよね、せんぱいって」
「はい?」
「…いや。俺、何回かこういうとこ目撃されちゃってるから慣れてるんですけど。…みんな、『じゃあ私ともして』って言ってくるから」
…なんて破廉恥な…!
心の中でそう思いながらも、どこか納得する自分もいた。
"みんなの宇佐美くん"は彼女を作らなくて、実は遊び人だっていう噂は本当だったんだなぁ。