宇佐美くんの口封じ
ハッとなった私は勢いよく立ち上がり、それだけ言ってこの場を立ち去ろうとした。
──が、しかし。
「ね、待ってくださいよせんぱい」
そんな声とともに、にこにこと怖いくらいの笑顔を浮かべた宇佐美くんが私の腕をつかんで引き留められてしまった。
つかまれた腕を引っ張られ、私の身体は準備室の扉に追いやられる。
制服越しに、冷たくて固い扉の感触が伝わる。
───そして、話は冒頭に戻るのである。
「う、宇佐美くん…!離れて」
「えー」
えーってなんだ、えーって!!
そんな綺麗な顔で何秒も至近距離に居られては私の身がもたないんですよ、宇佐美くん。
と、言うか。
そもそもあんな所で如何(いかが)わしいことをしていたサラと宇佐美くんの方が確実に悪いのに、どうして私が迫られているのだろうか。