宇佐美くんの口封じ
◇
「3階でお化け屋敷やってまーす!」
「メイド喫茶来て下さーい!」
「美味しいワッフルいかがですかー?」
何処を歩いてもそんな声が行き交う校内。
あっという間に文化祭当日がやって来た。
上手く音が出せずにいた私はというと、玲やサラにアドバイスを受け、励まされながらなんとか立て直すことがでかた。
私たちのグループはオープニングは担当外だったので、中夜祭と後夜祭に向けて気持ちを整えておけば、きっと上手くいくだろう。
一方クラスでは、予定通りお化け屋敷を開催していた。
私はバンドのスケジュールがあるため、リコはルックスと声の大きさがピカイチのため、2人して看板を持って校内を宣伝して歩く担当を任された。
「おねーさん可愛いじゃん。何?お化け屋敷?行っちゃおうかな」
「嬉しいです〜あはは〜ぜひ来てくださ〜い」
「俺と一緒に回ってくれるなら行こうかな」
「あはは〜私は仕事があるんですよ〜お兄さん、お店の売上に貢献してくださいね〜」