宇佐美くんの口封じ
私になんて絶対見せたことの無いような営業スマイルを浮かべて寄ってくる男の子たちを次々さばいていくリコ。
時々スッと笑顔を消して、小さい声で「…はー…疲れるわ」なんて言っている彼女に苦笑いを浮かべながら、私も看板を掲げて声を張る。
「お化け屋敷やってまー……」
「あー!リコさん!」
そんな声を遮るようにして聞こえた声に、リコがうんざりしたように笑顔を消した。
「…うわぁー、めんどくさいの来ちゃったじゃん。雅の不運が移ったわ…」
「…ごめんと言いますかなんと言いますか…」
「まあでも後輩くん隣にいないだけ良かったかもね。あんた今日占い何位?」
「さ、3位…」
「あながち外れじゃないわね。ちなみにあたし11位」