宇佐美くんの口封じ
「え…雨宮せんぱい?」
「ひっ、違います私は雨宮せんぱいではありません」
「いやどんな嘘ですかそれ」
おでこを抑えながら声のする方につられて顔を上げる。
その瞬間、私の顔を覗き込む宇佐美くんの後ろにいたサラと目が合った。
「雨宮ってもしかして、…」と呟き、私であることを確認したサラの顔がどんどん青ざめていく。
「み、みやび…」
「あっ、あのねサラ、これは事故で」
「いやぁぁぁぁあああ!!」
私の言い訳に耳を傾けることもなく、彼女は叫びながら音楽室を出て行ってしまった。
取り残された私と、少しだけ制服が乱れたままの宇佐美くん。
「せんぱ、」
「ごごごごめんなさいっ!事故なんです!私は何も見てませんので!それでは!」