終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
しばらく背中をさすってやるとだいぶ落ち着いてきた。
でも首筋をかくのをやめない。
「これ以上やると血出るよ」
手を掴み強制的にやめさせる。
一旦結から離れ、水に濡らしたタオルを用意した。
「ちょっと冷たいかも。あてるよ」
髪をよけ赤くなった首筋にタオルをあてると案の定冷たかったのかビクッと肩を震わす。
耳にもあてながら結の顔を覗き込んだ。
大泣き、とまではいかないけど少し泣いたせいで目が赤い。
「今日さ」
ゆっくり俺を見上げる。
「一緒に寝る?何もしないから」
「…え」
「このまま1人で寝るの辛いかなって。誰かと添い寝するのって結構幸福感あるよ?」
優しさだった。
精一杯の優しさのつもりだったのに。
「何もしないんですか?」
思わぬ方向に玉砕された。
「いや、だって…」
嫌でしょ?って言いかけたけど「なんで?」という顔で見つめられ言葉が出なかった。
余裕で抱ける。
辛い過去思い出して泣いてる結には悪いけどそんな状態の結でも余裕でその気になれる、っていうかなってる。