終わり良ければ全て良し、けど過程も大事


「…したい?」


そう聞くけど、なんでか首を傾げる。


「したいかしたくないかって言われると…したくはないです」

「だったら」

「でも…白川さんはしたいですよね?」


言葉に詰まる。


「…俺がしたい、ってだけでしていいの?」

「だってそういう”契約”だから」

「嫌ならNGって言ってもいい”契約”だよ?」

「嫌なわけじゃないので」


なんでこんなに食い下がる?

埒が明かなくて、俺が決定権を持たされていることも嫌だった。


このまま抱けば、結局俺のエゴだ。


後悔してすぐまた後悔なんてしたくない。

「じゃあ、さ…」


一か八かの賭けだ。


「嘘でもいいから結も『したい』って言ってよ。そしたらしよう」


お互い目をそらさない。

先に視線を外したのは結だったけど、すぐに戻した。


「したいです」



結が考えてることは分からない。

俺のこと嫌いなんじゃないのかとか、なんでそんな食い下がるんだとか、いろいろ…本当にいろいろ聞きたいことはある。


でも。



「じゃあしよっか」



この顔に「したい」って言われたらもうなんだっていい。


< 61 / 77 >

この作品をシェア

pagetop