終わり良ければ全て良し、けど過程も大事
「…したい?」
そう聞くけど、なんでか首を傾げる。
「したいかしたくないかって言われると…したくはないです」
「だったら」
「でも…白川さんはしたいですよね?」
言葉に詰まる。
「…俺がしたい、ってだけでしていいの?」
「だってそういう”契約”だから」
「嫌ならNGって言ってもいい”契約”だよ?」
「嫌なわけじゃないので」
なんでこんなに食い下がる?
埒が明かなくて、俺が決定権を持たされていることも嫌だった。
このまま抱けば、結局俺のエゴだ。
後悔してすぐまた後悔なんてしたくない。
「じゃあ、さ…」
一か八かの賭けだ。
「嘘でもいいから結も『したい』って言ってよ。そしたらしよう」
お互い目をそらさない。
先に視線を外したのは結だったけど、すぐに戻した。
「したいです」
結が考えてることは分からない。
俺のこと嫌いなんじゃないのかとか、なんでそんな食い下がるんだとか、いろいろ…本当にいろいろ聞きたいことはある。
でも。
「じゃあしよっか」
この顔に「したい」って言われたらもうなんだっていい。