サヨナラなんて言わない。
「蓮花ちゃんの幸せを祈ってるよ。」

優しく微笑むさっちゃんは、あたたかくて太陽のようで…消えそうだった。

幸せを祈るというさっちゃんの言葉が遺言のように聞こえたからかもしれない。

心によぎる不安を抱えながらその日、さっちゃんと別れた。


翌日以降、さっちゃんは私の前に表れることは無かった。

看護師さんに聞いても"今はあわせられない"としか言われなかった。

「さっちゃん…」

さっちゃんはどんなに具合が悪くても、絶対私に会いに来た。

点滴打った日も、副作用が強く出た日も、どんな時だって…

こんなに会いにこないなんておかしい。

何かあったんだ!!
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