桜の色は、藍色の花…
 長月が続く日々ー。
 そんなある日の朝、禿の部屋に、おせんが来た。
 「なつほ!
布団片付けて、着替えて、わたしの部屋に来な。」
 なつほは、返事した。
 それから、なつほは、着替えて、布団を片付け、おせんのところへ行った。
 「おはようございます。
なつほです。」
「なつほ、入りな。」
「はい。」
 なつほは、おせんの部屋に入った。
 「ここに座りな。」
「はい。」
 なつほは、おせんの前に座った。
 「お前も、一週間後に、十四歳になる。
その日から、お前は、留袖新造として、働いてもらう。
名前は、こゆき。
いいね?」
「はい。」
「今まで通り、ひさのの下で働くんだ。」
「はい。」
「じゃあ、みんなに、挨拶してきな。」
「はい。」
 なつほは、おせんに、一礼して、おせんの部屋を出た。
 なつほは、まず、ゆきのの所に行った。
 「おはようございます、ゆきの姉さん。
なつほです。
失礼しても、よろしいですか?」
「なつほ?
かがりがいるけど、いい?」
「はい。」
「じゃあ、入っておいで。」
「はい。
失礼します。」
 なつほは、ゆきのの部屋に入った。
 あたしは、いつものように、ゆきのの膝に座った。
 「なつほ、何かあった?」
「実は、一週間後、留袖新造として、働く事になりました。
名前は、こゆきです。」
「そう!
おめでとう。」
「なつほちゃん、おめでとう。
一週間後には、こゆき姉さんになるんだね。」
「うん。」
 なつほは、うなずいた。
 「じゃあ、他の姉さん達に、挨拶してきます。」
「分かったわ。」
 なつほは、一礼して、ゆきのの部屋を出た。
 次に、なつほは、睡蓮のところに行った。
 水連に、挨拶し終わると、つぎに、かつらのところにいき、挨拶した。
 そして、次に、ひさののところに行って、挨拶した。
 すると、ひさのが、「新造と、禿に挨拶して、戻っておいで。」と言った。
 なつほは、言われた通り、挨拶して回って、ひさののところに戻った。
 「ひさの姉さん、なつほです。
戻りました。」
「なつほ、入っておいで。」
「はい。」
 なつほは、部屋に入った。
 部屋の中には、沢山の留袖があった。
 「姉さん…、これ…。」
「お前の着物だよ。
一週間後、取りにおいで。」
「ありがとうございます!」
 なつほは、大喜びで、禿のところに戻り、禿の仕事をし始めた。
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