桜の色は、藍色の花…
 冬も終わり、三度目の桜祭りがきた。
 あたしは、いつものように、若い衆の所に行き声をかけた。
 「おはよう。
誰か、起きてない…?」
 中から、眠そうに、一人の若い衆が出てきた。
 「なんすか?」
「あの…、かがりですけど…。」
「それは、知ってますよ。
何の用っすか?」
「桜祭りに行きたくて…。」
「あぁ…。
無理っすね。」
「えっ…。」
「こっちも、忙しいんだよ。
子どもの用事なんかに、構ってられーの。
それくらい、分かれよ。」
「ごめんなさい…。」
 あたしは、泣き出してしまった。
 あたしの泣き声に気付いて、池田が出てきた。
 「かがりさん!!
どうしたんですか?!!」
「’じ…、実は…、桜祭りに…、行きたくて…。」
 池田は、あたしに、暴言を言った男を見た。
 「清松
何言ったんだ?!!」
「あっしは、本当の事言ったまでっすよ。」
「だから、何言ったんだ?!!」
 清松は、「はぁ〜。」とため息をついた。
 「あっしは、ただ、「子どもに構ってらんねー。」って、いったまでっすよ。」
「はぁ〜?!
「かがりさんの言う事は、絶対守れ!」って、言っただろうが!!
かがりさん!!
申し訳ございません。
桜祭りには、私がついていきます。
清松!
帰ったら、話がある!!
分かったな?!!」
 それだけ言うと、池田は、あたしを桜祭りに連れてってくれた。
 「かがりさん、あいつには、とことん言っておきますから。」
「ありがとう…。」
 あたしは、涙を拭いて、池田と祭りに出かけた。
 昨年同様、他の見世の太夫が、蕎麦を食べていて、あたしも呼ばれ、一緒に、食べた。
 祭りを楽しんで、店に帰った。
 店に帰ると、清松が、楼主に折檻されていた。
 「これに懲りたら、二度と、かがりに暴言吐くな!!
かがりの願いは、必ず聞け!!」
 楼主は、若い衆を見た。
 「こいつを、折檻部屋に入れておけ。」
 若い衆は、返事をし、連れて行った。
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