桜の色は、藍色の花…
 秋風が、吹く日々ー。
 おみつが、女の子を八人連れて来た。
 おせんは、断ろうと思ったけど、みつばの突き出しの事を言われ、二人買うことになった。
 「五つの子を、二人、もらうよ。」
「五つは、この子と、この子だよ。」
「じゃあ、その二人を買うよ。」
「毎度。
十四両だよ。」
「はいよ。」
 おせんから、お金をもらうと、おみつは、懐に入れ、見世を後にした。
 おせんは、買った二人を、自分の部屋に連れて行った。
 「ここはね、わたしの部屋。
話しがあるから、中に入りな。」
 女の子二人は、言われるがまま、中に入った。
 「そこに座りな。」
 おせんは、二人を、自分の正面に座らせた。
 「まずは、名前を聞こうか。
じゃあ、お前から。」
 おせんは、自分から見て、左の子を指差した。
 指差された、女の子は、恐る恐る、答えた。
 「おかよです…。」
「お前は?」
「おみさ。」
 おかよは、怯えていたけど、おみさは、おせんのことを、睨むように、見ていた。
 おせんは、それから、吉原のこと、名前のこと、遊女のこと、全てを、話した。
 「名前をきめないとねぇ…。
おかよは…、つばき。
おみさは、まゆ。
いいね?
分かったら、返事しなっ!!」
 二人は、返事した。
 おせんは、ため息をつき、二人を見た。
 「これから、引っ込み禿を連れてくる。
ちょっと、待ってな。」
 二人は、返事をした。
 おせんは、ゆきのの所で遊んでいた、あたしを探しにきた。
 「かがり、居るかい?」
「はい。
居ます。」
「すぐに、わたしのへやに来ておくれ。」
「はい。」
 あたしは、ゆきのに、一礼し、おせんの部屋に行った。
 おせんは、あたしを連れて、自分の部屋に入った。
 あたしは、連れられて入ると、二人の女の子が見えた。
 「(新しい子達が、入ったんだ。)
(引っ込み禿の挨拶か…。)」
 おせんは、二人に、あたしを紹介した。
 「かがり、挨拶して見せてあげな。」
「はい。」
 あたしは、いつもの通り、挨拶をした。
 「これが、引っ込み禿だよ。
かがりはね、他の見世の太夫達とも仲が良くってねぇ。
祭りや、新年には、他の見世の太夫達に、挨拶されたり、一緒に、ご飯を食べたりしてんだよ。
ここまで人気の禿は、このかがりだけだよ。
この子は、すごい子なんだ。」
 あたしは、照れた。
 二人は、口が、開いたままだった。
 あたしは、挨拶し終えると、また、ゆきのの所に戻った。
 少しすると、おせんが、新しい子達を連れて、ゆきのの部屋に来た。
 「ゆきの。
みつばが、突き出しするまで、この子達は、お前の下につけるよ。」
「ええ。
分かったわ。」
 ゆきのに挨拶した後、次の格子太夫達に、挨拶をして、新造に挨拶して、禿に挨拶した。
 それから、なつめが、新しい子達の指導係になった。
 なつめは、色々、禿の仕事を教えていった。
 二人は、あたしがいないことに、気付いた。
 まゆが、なつめに、話しかけた。
 「かがりって、手伝わないの?」
「まゆちゃん、「かがり。」じゃなくて、かがりちゃんね?
かがりちゃんは、引っ込み禿だから、わたし達とは違うの。」
「なんか…、特別扱い、嫌だな…。」
「まゆちゃん、かがりちゃんは、とっても、いい子だし、優しい子だし、頑張り屋さんなんだよ?
かがりちゃんの挨拶、見なかったの?
他の子と違うの。
かがりちゃんに、そういう態度とっていたら、楼主に折檻部屋に、行かされるわよ。
気を付けてね?」
 なつめに言われても、「納得いかない。」と言った、顔をしていた。
 まゆの意見に、かえでが、賛同した。
 「二人とも!!
かがりちゃんが来るから、止めなさいっ!」
 なつめに言われ、二人は、黙った。
 あたしが、食堂に行くと、禿達は黙り込んでいた。
 あたしは。、気になって、もみじに聞いた。
 「何で、みんな黙っているの?」
「後で話す。」
「分かった。」
 掃除の時、もみじが話しかけて来た。
 「手を止めずに聞いて。」
「うん。
分かった。」
「実は、かえでちゃんと、まゆちゃんが、かがりちゃんのこと、よく思ってないみたいなの。
かがりちゃんのこと、呼び捨てにするし…。
かがりちゃんが、特別なのが、気に入らないみたい。
でも、なつめちゃんが怒ったから、大丈夫だと思う。」
「なるほど…。
敵意むき出しだったのね。
教えてくれて、ありがとう。
また、何かあったら、教えて。」
「分かった。」
 自分より、年下に、妬まられると思ってなかった。
 あたしは、ため息が出た。
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