桜の色は、藍色の花…
 あたしが、吉原に来て、四度目の桜祭りの日が来た。
 「(桜祭りっっ!!)
(早く準備しなきゃ!!)」
 あたしは、すぐに準備して、若い衆のところに行った。
 若い衆の部屋の戸を少し開け、声をかけた。
 「おはよぉ…。
誰か居る…?」
 すると、奥から、清松が出てきた。
 あたしは、清松のことを、昨年のことがあってから、避けていた。
 「(清松か…。)
(苦手なんだよね…。)」
「かがりさん!
おはようございます!!
昨年は、失礼しました!!
本日は、どうされたんですか?」
 あまりの変わりように、あたしは驚いた。
 「あ…、桜祭りに…。」
「分かりました!
少し、お待ちください!」
 そう言うと、清松は、奥に消えていった。
 少し待っていると、清松と池田がきた。
 「かがりさん、桜祭りですね?
私と清松と参りましょう。」
「分かったわ。
(池田がいるなら、大丈夫かな…。)」
 あたしは、池田と清松と三人で、桜祭りに出かけた。
 池田は、まずどこに行くか聞いてきた。
 「かがりさん、まずは、どこに行きますか?」
「うーん…。
べっこう飴!!」
「分かりました。」
 三人で、べっこう飴屋さんに行った。
 「いらっしゃい!!
何にしますかい?」
「十本入りのを一つ下さい。」
「あいよ。」
 あたしは、お金を払い、べっこう飴を受け取った。
 蕎麦屋の前を通ると、色んな見世の太夫達がいた。
 「かがりじゃないか。
ここに座りな。」
 松江太夫に言われ、太夫達の中に入った。
 「おじさん!
お蕎麦、一つ追加!!」
 松江太夫が、蕎麦屋に注文した。
 「あいよ。」
 蕎麦は、すぐにきた。
 すると、松江太夫が、代金を払ってくれた。
 「松江太夫、いいんですか?!」
「構やしないよ。
食べな。」
「ありがとうございます。」
 あたしは、蕎麦をすすった。
 「美味しい!!」
「かがり、美味しそうに食べるねぇ。」
 松江太夫は、そう言うと、微笑んだ。
 蕎麦を楽しく食べて、見世に帰った。
 清松は、他の見世の太夫と仲が良いのを見て、あたしの事、「凄い!」と思ったらしく、尊敬の眼差しで、あたしを見た。
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