桜の色は、藍色の花…
初夏ー。
ゆきのの身請けの日が、近付いてきた。
ゆきのは、相変わらず、みんなの前では、笑顔を振りまき、あたしの前では、泣いていた。
どうすることも出来ない自分に、あたしは、もどかしさを感じていた。
「(姉さんには、幸せになって欲しいのに…。)
(何も出来ないなんて…。)」
そうこうしていると、次の太夫が、おせんと楼主の中で決まった。
おせんと楼主に、太夫の話を持ってこられたのは、市川。
でも、市川は、すぐに答えを出さなかった。
それは、市川の中で、ゆきののような、太夫にはなれないという、不安からだった。
そんな、市川のとこに、ゆきのが行った。
「市川。
ゆきのだけど、入っていい?」
「姉さん?!
どうぞ、お入り下さい!」
「じゃあ、失礼するよ。」
ゆきのは、市川の部屋に入った。
「市川。
お前、太夫の話、答えを出してないんだって?
どうして?
太夫は、みんなが、なりたいものなんだよ?
なんか、理由があるの?」
「姉さん…。
私は、姉さんのような太夫にはなれません。
私の中での太夫は、姉さんだけなんです。
だから、断りたいんです。」
「太夫の誰だって、太夫になるのが、不安だよ?
わたしだってそうだった。
ちゃんと、務まるのか、みんなついてきてくれるか、不安なことだらけだったよ。
中川姉さんのようになれるのか…。
でもね、思ったの。
中川姉さんのような太夫じゃなくても、自分なりの太夫でいこうって。
そう思ったら、肩の荷が軽くなってね…。
今まで、太夫をしてこれた。
市川だって、立派な太夫になれるよ。
わたしは、市川の太夫を見たい。
どう?
太夫やってみない?」
「姉さんが、そこまで言うなら…。」
「本当?!!
ありがとう、市川。」
「ただ、条件つけていいですか?」
「なに?」
「かがりに、手練手管を教えるのは、私にして下さい。
楼主の教えも必要ですが、私も、教えたいんです。
あの子は、この近江屋の看板になる子です。
お願いします。
私のそばで、勉強するのも、あの子には、いいことだと思うんです。」
「分かったわ。
おせんと楼主に伝えるわ。」
「ありがとうございます。」
ゆきのは、すぐに、おせんと楼主に伝えた。
おせん達は、市川の条件をのんだ。
そして、市川太夫が、誕生した。
おせんは、あたしにこのことを、伝えに来た。
あたしは、「市川姉さんが、迷惑じゃないなら。」と、条件を受け入れた。
ゆきのの身請けの日が、近付いてきた。
ゆきのは、相変わらず、みんなの前では、笑顔を振りまき、あたしの前では、泣いていた。
どうすることも出来ない自分に、あたしは、もどかしさを感じていた。
「(姉さんには、幸せになって欲しいのに…。)
(何も出来ないなんて…。)」
そうこうしていると、次の太夫が、おせんと楼主の中で決まった。
おせんと楼主に、太夫の話を持ってこられたのは、市川。
でも、市川は、すぐに答えを出さなかった。
それは、市川の中で、ゆきののような、太夫にはなれないという、不安からだった。
そんな、市川のとこに、ゆきのが行った。
「市川。
ゆきのだけど、入っていい?」
「姉さん?!
どうぞ、お入り下さい!」
「じゃあ、失礼するよ。」
ゆきのは、市川の部屋に入った。
「市川。
お前、太夫の話、答えを出してないんだって?
どうして?
太夫は、みんなが、なりたいものなんだよ?
なんか、理由があるの?」
「姉さん…。
私は、姉さんのような太夫にはなれません。
私の中での太夫は、姉さんだけなんです。
だから、断りたいんです。」
「太夫の誰だって、太夫になるのが、不安だよ?
わたしだってそうだった。
ちゃんと、務まるのか、みんなついてきてくれるか、不安なことだらけだったよ。
中川姉さんのようになれるのか…。
でもね、思ったの。
中川姉さんのような太夫じゃなくても、自分なりの太夫でいこうって。
そう思ったら、肩の荷が軽くなってね…。
今まで、太夫をしてこれた。
市川だって、立派な太夫になれるよ。
わたしは、市川の太夫を見たい。
どう?
太夫やってみない?」
「姉さんが、そこまで言うなら…。」
「本当?!!
ありがとう、市川。」
「ただ、条件つけていいですか?」
「なに?」
「かがりに、手練手管を教えるのは、私にして下さい。
楼主の教えも必要ですが、私も、教えたいんです。
あの子は、この近江屋の看板になる子です。
お願いします。
私のそばで、勉強するのも、あの子には、いいことだと思うんです。」
「分かったわ。
おせんと楼主に伝えるわ。」
「ありがとうございます。」
ゆきのは、すぐに、おせんと楼主に伝えた。
おせん達は、市川の条件をのんだ。
そして、市川太夫が、誕生した。
おせんは、あたしにこのことを、伝えに来た。
あたしは、「市川姉さんが、迷惑じゃないなら。」と、条件を受け入れた。