砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「最近の社交場ではオルディン公爵のロマンスの噂でもちきりだ。氷のようなカルヴィン・オルディンが…ってさ。女どもは青ざめてるよ。
いつも俺に陰のようにくっついて多くの女を見ているのに眉一つ動かさなかったから、もしや男が好きなのかって思ってたやつもいたみたいだ」
「いっそ噂にもならないくらい忘れられる存在になりたいのですが」
カインは苦笑してアベルの向かいのソファーに腰掛ける。
自分からはアベルの隣に座ろうとしない。この距離感が不服で、アベルは自分の隣のスペースをポンと叩いた。
「だめだ。必ず、俺の隣に帰ってこい。俺と、お前と、子供。もちろん公にはしないが、心だけは繋がった家族でいたい。
子供にだけは俺が本当の父親だと、教えてほしい」
アベルは自分からカインの隣に座るとお腹を優しく撫でた。
「この子の父親はオルディン公爵ただひとり。
アベル。あなたはちゃんとしたお妃様を娶り、世継ぎ王子としての責務を果たしてください。争いや災の種をわざわざまくようなことはいけません」
カインは大きな手の温もりを名残惜しく思いながらアベルの手を払った。
「冷たいこと言うな、カイン。大丈夫。お前が心配することはなにもない。
今は、ただ元気な子供を産むことだけ考えていろ」
アベルはそっとカインを抱き寄せた。彼の腕の中は暖かくて広くて安心できる。
この安心感はきっとお腹の赤ちゃんにも伝わっているだろう。
「アベルは可愛がってください。とにかく可愛がって、愛情を注いであげてください。無上で無限の親からの愛を。
この世がどんなに辛くても、アベルだけはいつでも味方で守ってほしい」
「当たり前だ。たとえ父と呼ばれなくても、俺はこの子を命をかけて愛するし、守るから。心配するな」
こんな穏やかで幸せな時間は長くは続かない。お互いの生きる道がこの幸せを許さないだろう。
だからこの幸せは胸に秘めて一生忘れない。
いつも俺に陰のようにくっついて多くの女を見ているのに眉一つ動かさなかったから、もしや男が好きなのかって思ってたやつもいたみたいだ」
「いっそ噂にもならないくらい忘れられる存在になりたいのですが」
カインは苦笑してアベルの向かいのソファーに腰掛ける。
自分からはアベルの隣に座ろうとしない。この距離感が不服で、アベルは自分の隣のスペースをポンと叩いた。
「だめだ。必ず、俺の隣に帰ってこい。俺と、お前と、子供。もちろん公にはしないが、心だけは繋がった家族でいたい。
子供にだけは俺が本当の父親だと、教えてほしい」
アベルは自分からカインの隣に座るとお腹を優しく撫でた。
「この子の父親はオルディン公爵ただひとり。
アベル。あなたはちゃんとしたお妃様を娶り、世継ぎ王子としての責務を果たしてください。争いや災の種をわざわざまくようなことはいけません」
カインは大きな手の温もりを名残惜しく思いながらアベルの手を払った。
「冷たいこと言うな、カイン。大丈夫。お前が心配することはなにもない。
今は、ただ元気な子供を産むことだけ考えていろ」
アベルはそっとカインを抱き寄せた。彼の腕の中は暖かくて広くて安心できる。
この安心感はきっとお腹の赤ちゃんにも伝わっているだろう。
「アベルは可愛がってください。とにかく可愛がって、愛情を注いであげてください。無上で無限の親からの愛を。
この世がどんなに辛くても、アベルだけはいつでも味方で守ってほしい」
「当たり前だ。たとえ父と呼ばれなくても、俺はこの子を命をかけて愛するし、守るから。心配するな」
こんな穏やかで幸せな時間は長くは続かない。お互いの生きる道がこの幸せを許さないだろう。
だからこの幸せは胸に秘めて一生忘れない。