砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命

「お前と結婚できるなら、兄上から王位を奪ってしまってもいい。俺が国王になれば、お前の背負う罪など王の権限でどうにでもできる。
俺が本気を出せば兄上なんて、ひとたまりもないだろ」

「アベル!
そんな恐ろしいこと、口にしてはいけません。考えてもいけません。
温厚で国民の信頼も厚いディアルド国王から王位を簒奪したとなれば、アベルは国中を敵にまわします。いままで愚王子を演じてきたことが全て裏目に出るでしょう」

「温厚で国民の信頼も厚い、ね。全部俺とお前とでお膳立てしてやってるからだろ」

「アベル!」

カインは、禍々しいことを口走るアベルの口をとっさにキスで塞いだ。

仕掛けたのはカインだったが、あっという間にアベルがカインの頭を押さえつけ、絡みつくようなキスになる。

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