砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「…は?アイリーン王女??誰だ?」
いきなり結婚と言われ、アベルは唖然としてしまった。
アイリーン王女と言われてもどこかで会った記憶もない。
「ジョセフィン王妃様の実兄でブリュオー国王ラインハルト陛下の第一王女ですね」
王女の名前ですぐに反応したのはカインだった。
「そうだ。ラインハルト四世が提案してくださった。アベルがブリュオーに行くことを条件に決まった良縁だ。ジョセフィンも口添えしてくれた」
「俺が、ブリュオーに婿入りということですか?」
「そうだ。アイリーン王女は絶世の美女だと評判だぞ。引く手あまただというのに、ブリュオー国王が可愛がりすぎて嫁ぎ先が決まらなかったそうだ。ありがたく思え」
アベルの意思など抜きで、すでに決定事項のようだ。
あまりに急なことにアベルは頭がついていけない。
懸命にアイリーン王女について思い出そうとする。だが、記憶のどこにもその名前さえ見つからない。
近隣国の王族はもちろん、舞踏会に参加できるほどの有力貴族の子女のことなら顔も名前も、おおよその性格さえも把握していると思っていたのだが。
「思い出せん。ブリュオーにそんな王女いたか?」
「アイリーン王女は五歳です。舞踏会にデビュー前ですからご存知なくてもしかたないかと」
カインのくれた情報に、アベルはさらに驚く。
五歳といえば息子アルスと同じ年齢だ。
「は?五歳?それは記憶にないはずだ。兄上は俺に、自分の娘といってもいいほどの歳の子供と結婚しろ、と」
「さすがにすぐにとは言わない。アイリーン王女が成人になるまでは婚約者としてブリュオーに滞在し、我が国との橋渡し役を務めるのだ」
アベルはぎりっと奥歯を噛み締め、不服を申し立てるのをぎりぎりで留めた。
王子が生まれればいずれ遠ざけられるとわかっていたが、まさか、他国に送り込まれるとは。
いきなり結婚と言われ、アベルは唖然としてしまった。
アイリーン王女と言われてもどこかで会った記憶もない。
「ジョセフィン王妃様の実兄でブリュオー国王ラインハルト陛下の第一王女ですね」
王女の名前ですぐに反応したのはカインだった。
「そうだ。ラインハルト四世が提案してくださった。アベルがブリュオーに行くことを条件に決まった良縁だ。ジョセフィンも口添えしてくれた」
「俺が、ブリュオーに婿入りということですか?」
「そうだ。アイリーン王女は絶世の美女だと評判だぞ。引く手あまただというのに、ブリュオー国王が可愛がりすぎて嫁ぎ先が決まらなかったそうだ。ありがたく思え」
アベルの意思など抜きで、すでに決定事項のようだ。
あまりに急なことにアベルは頭がついていけない。
懸命にアイリーン王女について思い出そうとする。だが、記憶のどこにもその名前さえ見つからない。
近隣国の王族はもちろん、舞踏会に参加できるほどの有力貴族の子女のことなら顔も名前も、おおよその性格さえも把握していると思っていたのだが。
「思い出せん。ブリュオーにそんな王女いたか?」
「アイリーン王女は五歳です。舞踏会にデビュー前ですからご存知なくてもしかたないかと」
カインのくれた情報に、アベルはさらに驚く。
五歳といえば息子アルスと同じ年齢だ。
「は?五歳?それは記憶にないはずだ。兄上は俺に、自分の娘といってもいいほどの歳の子供と結婚しろ、と」
「さすがにすぐにとは言わない。アイリーン王女が成人になるまでは婚約者としてブリュオーに滞在し、我が国との橋渡し役を務めるのだ」
アベルはぎりっと奥歯を噛み締め、不服を申し立てるのをぎりぎりで留めた。
王子が生まれればいずれ遠ざけられるとわかっていたが、まさか、他国に送り込まれるとは。