砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命

「おかえりなさいませ、カルヴィン様。アルベルト王子からお荷物が届いておりますよ。お部屋に運んでおきました」

屋敷に帰るとモレーが出迎えてくれた。いつもならモレーと一緒に元気いっぱいに出迎えてくれるアルスの姿がない。

「ありがとうモレー。アルスは?」
「もうお休みになられました。今日はずっと剣の練習をされていて、お疲れのご様子でしたから」
「そうか。きっと頑張ったのだな。
すまないが部屋に水を持ってきてもらえるかい?少し酒を飲みすぎた」
「かしこまりました」

カインは自室に入り、正装を解く。
楽な室内着に着替えてから、部屋のテーブルの上に置かれた大きな箱を見た。

簡単にほどけて中身が飛び出さないように、紐が固く巻かれている。衣装ケースのようだ。恐らく今日、もともと着ていた黒の正装を送ってくれたのだろう。

カインは、紐を切り箱を開けた。

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