砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「アベルは私を辱めたいのか。私を女だと暴き立てて、胸の奥のわだかまりをすっきりさせて行きたいのか。
私の罪が暴かれれば、アルスだってただでは済まないというのに」

「落ち着いてください、カルヴィン様。……あの、これを」

数々の豪華な装飾品の中から、モレーは一枚のカードを見つけた。
カインは息を荒くさせながら、やや乱暴にカードを開く。


ーーこの世で一番愛しい君へ贈る。
ただ一度、本当の君をこの目に焼き付けたい。
待っている。


それは見慣れたアベル本人の字だ。

「アルベルト王子はきっとこれが今生の別れだと覚悟されたのですよ。
これを着て、明日は舞踏会に参りましょう、カルヴィン様」

「私は着ない!私を誰だと思っているんだ。私はオルディン公爵だぞ!
断じて着るものか!!!!」

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