砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
※
前日と違い、アベルは踊りもせず会場から一段高く設えた席に腰掛けたまま人々の挨拶に応えていた。
その顔には笑顔が張り付いている。
ーーやはり、来るはずがないか。アイツが自分の身を危険に晒してまで来るわけがない。
舞踏会もまもなく終了の時刻だ。アベルは出入り口にちらりと視線を送る。
帰り支度をする者はあれど、今更やってくる者はいない。
その時だった。
出入り口の重厚な扉が開いた。
会場に集まっていた人々は、そこに姿を現した人影にざわつく。
「あの方、どなた?ご存知?」
「いいえ。初めて見るわ。どなたかしら」
「初めて見る顔だけど…すごい美人だ」
「あぁ。まるで女神の肖像画から飛び出してきたみたいだな」
「あの瞳の色…氷のようなアイスブルー。オルディンブルーっぽくないか?」
「じゃあ、オルディンの一族かな」
前日と違い、アベルは踊りもせず会場から一段高く設えた席に腰掛けたまま人々の挨拶に応えていた。
その顔には笑顔が張り付いている。
ーーやはり、来るはずがないか。アイツが自分の身を危険に晒してまで来るわけがない。
舞踏会もまもなく終了の時刻だ。アベルは出入り口にちらりと視線を送る。
帰り支度をする者はあれど、今更やってくる者はいない。
その時だった。
出入り口の重厚な扉が開いた。
会場に集まっていた人々は、そこに姿を現した人影にざわつく。
「あの方、どなた?ご存知?」
「いいえ。初めて見るわ。どなたかしら」
「初めて見る顔だけど…すごい美人だ」
「あぁ。まるで女神の肖像画から飛び出してきたみたいだな」
「あの瞳の色…氷のようなアイスブルー。オルディンブルーっぽくないか?」
「じゃあ、オルディンの一族かな」