砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
人々は皆、その女性に釘付けだ。
流れるような銀色の髪。象牙色のシミひとつない肌。瞳はオルディン一族に顕著にあらわれるオルディンブルーともいわれる冷たい氷を連想させる、淡いブルー。
背筋をスッと伸ばして歩く姿も、どことなく神々しい。
女性はまっすぐにアベルの元へと歩み寄っていく。そのアベルも目を見開いて信じられないと言った表情を浮かべていた。
ゆっくり、ゆっくり、二人の距離が縮まる。その間も女性はアベルに瞳を向けたまま。周囲のことは見えていないようだ。
アベルが立ち上がった。
「あ、デュス…アルベルト王子とあの方、デュスだわ!」
会場内でどこからともなくそんな声が上がると、人々のざわめきが一層大きくなった。
今までアベルは一度も特定の女性とデュスを身に着けたことはなかった。
だが、今現れた女性はアベルと同じ、淡い月光を織り込んだような、静かに輝く衣装をまとっている。
アベルが会場へと降りてくる。女性はアベルの前で足を止め、深々と頭を下げた。
「…よく、来てくれた」
感極まったアベルの声はわずかに震えていた。
流れるような銀色の髪。象牙色のシミひとつない肌。瞳はオルディン一族に顕著にあらわれるオルディンブルーともいわれる冷たい氷を連想させる、淡いブルー。
背筋をスッと伸ばして歩く姿も、どことなく神々しい。
女性はまっすぐにアベルの元へと歩み寄っていく。そのアベルも目を見開いて信じられないと言った表情を浮かべていた。
ゆっくり、ゆっくり、二人の距離が縮まる。その間も女性はアベルに瞳を向けたまま。周囲のことは見えていないようだ。
アベルが立ち上がった。
「あ、デュス…アルベルト王子とあの方、デュスだわ!」
会場内でどこからともなくそんな声が上がると、人々のざわめきが一層大きくなった。
今までアベルは一度も特定の女性とデュスを身に着けたことはなかった。
だが、今現れた女性はアベルと同じ、淡い月光を織り込んだような、静かに輝く衣装をまとっている。
アベルが会場へと降りてくる。女性はアベルの前で足を止め、深々と頭を下げた。
「…よく、来てくれた」
感極まったアベルの声はわずかに震えていた。