砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
小鳥のさえずりにカインは重いまぶたをゆっくりと持ち上げた。
とたんに鍛えられた広い胸板が視界に飛び込んでくる。
ぎゅっと押し付けられるようにアベルに抱き寄せられたまま、気を失うように眠っていたようだ。
昨夜、カインは身も心もただの女になった。
感情を抑えることなく、彼が与えてくれる快楽の嵐の渦に素直に飲み込まれた。
アベルの名を呼び続けた。今宵はただ一夜の夢。ひたすら愛に狂え、とばかりに。
ただ、愛してるとは言えなかった。
その一線を超えてしまえば、カインはもうアベルの手を離せなくなる。
もう、これが最後。
アベルに抱きしめられて目覚める、こんな幸せな朝は二度とこない。
ーーどうしよう。アベルへの気持ちがあふれて、とめられない。息もできないくらい、苦しすぎる。
愛しています。
あなたを愛しています。
……行かないで。
唇だけを動かして、声にしないつもりだった。だけど、強すぎる思いは吐息となってわずかにもれてしまう。
ささやき声よりもっともっと小さな、声といえないほどの言葉。
とたんに鍛えられた広い胸板が視界に飛び込んでくる。
ぎゅっと押し付けられるようにアベルに抱き寄せられたまま、気を失うように眠っていたようだ。
昨夜、カインは身も心もただの女になった。
感情を抑えることなく、彼が与えてくれる快楽の嵐の渦に素直に飲み込まれた。
アベルの名を呼び続けた。今宵はただ一夜の夢。ひたすら愛に狂え、とばかりに。
ただ、愛してるとは言えなかった。
その一線を超えてしまえば、カインはもうアベルの手を離せなくなる。
もう、これが最後。
アベルに抱きしめられて目覚める、こんな幸せな朝は二度とこない。
ーーどうしよう。アベルへの気持ちがあふれて、とめられない。息もできないくらい、苦しすぎる。
愛しています。
あなたを愛しています。
……行かないで。
唇だけを動かして、声にしないつもりだった。だけど、強すぎる思いは吐息となってわずかにもれてしまう。
ささやき声よりもっともっと小さな、声といえないほどの言葉。