砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命


「よく来てくれたね、アルベルト王子。我が国は貴殿を歓迎するよ」

帰城するなり、そう言って笑顔で迎え入れてくれたラインハルト四世は兄と同じ歳だと聞いている。
だが、兄とは違い国王としての貫禄があり、醸し出す空気に余裕と落ち着きがあった。

ーー王としてなるべくしてなった経緯は同じはずなのに、この違いはなんだろう。

「ありがと、ござます。あー、えーと……すみません、ブリュオーのことば、へたくそ。
はなすも、きくも、ゆっくり、おねがい」

アベルがそう断ると、周囲は思いやられると言わんばかりにため息をつく。
だが、ラインハルトだけは表情一つ変えずにうんうんと頷いて見せた。

「大丈夫、すぐに慣れますよ。
アルベルト王子、今はどちらに滞在されているのかな?」

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