砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「アルベルト王子、あなたを捕虜のように扱ってしまった。御無礼いたしました」
「だいじょぶ、です」
「これからは娘の婿殿として我が城に迎え入れます。フォトキナと違って色々ご不便をおかけするかと思いますが……」
「ありがと、ゴザス?ゴザーイマス?」
アベルは発音に悩みながら、大きく首を右にかしげた。
するとひゅっと風を切る音がし、アベルの足元になにかが転がった。
拾い上げてみれば、服のボタンだ。
「だれ?これ、とれた?」
アベルはボタンを高々と頭上に上げて周囲に見せる。
偶然のわけがない。誰かがアベルをからかっていたずらしたのだろう。
「これはいけない。私の服から飛んでしまったようだ。最近太りましてな。お恥ずかしい。大変失礼いたしました」
「だいじょぶ。けが、ない」
「……フォトキナのスパイ。運の良さは一流とみた」
アベルを石塔に幽閉した側近が早口で詫びながらアベルの手からボタンを受け取った。聞き取れないと思っているのだろう。嫌味のこもった一言を付け加えて。
「だいじょぶ、です」
「これからは娘の婿殿として我が城に迎え入れます。フォトキナと違って色々ご不便をおかけするかと思いますが……」
「ありがと、ゴザス?ゴザーイマス?」
アベルは発音に悩みながら、大きく首を右にかしげた。
するとひゅっと風を切る音がし、アベルの足元になにかが転がった。
拾い上げてみれば、服のボタンだ。
「だれ?これ、とれた?」
アベルはボタンを高々と頭上に上げて周囲に見せる。
偶然のわけがない。誰かがアベルをからかっていたずらしたのだろう。
「これはいけない。私の服から飛んでしまったようだ。最近太りましてな。お恥ずかしい。大変失礼いたしました」
「だいじょぶ。けが、ない」
「……フォトキナのスパイ。運の良さは一流とみた」
アベルを石塔に幽閉した側近が早口で詫びながらアベルの手からボタンを受け取った。聞き取れないと思っているのだろう。嫌味のこもった一言を付け加えて。